声の心理学その5~声音、声色

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声色、声音。いわゆる、声の質感のことです。

音楽でもシンガーの話になるときには、「彼の声にはドラマがある」とか「彼女の声は、まるでマシュマロのようだ」とかたくさんの評論が出されますよね。色に例えられたり、甘いとかスパイシーなどの味覚に例えられたり。はたまた、艶がある、潤いがあるという水分とリンクするような表現や、ヴェルヴェットのような、などの肌触りで形容されることも。そう、声を形容する時の表現は多種多様!それだけ、ひとつの物差しでは測れない、声というもの自体が持つ奥深さがあるのでしょう。

とある研究によると、女性で好まれる声、というのは豊かで滑らかな、温かみのある声。一方男性の場合は、比較的低い声が好まれ、また感情表現をよく表すような幅広い声音が好まれる傾向にあるのだとか。

仕事柄、これまで多くのシンガー、ナレーター、ラジオDJ、映画俳優女優の方々にお目にかかる機会を得てきましたが、今思い返してみると、声音を左右する分野において、発声することを仕事上大切にしている方々の中でひとつ共通点が見つかりました。それは、「口呼吸ではなく、鼻呼吸であること」。シンプルですが、コレ、意外ととっても大切!

人間の口は、まるで笛のようだと分析できます。口角を上げて話せば明るい印象になり、下げて話せば、まるで不満がある声になる。このように、口角などの口の周りの筋肉は大切。開く時にわっと開き、すぼめる時にキュッと小さくする、という筋肉運動が声音、声の印象にもずいぶん大きな影響を与えるのです。普段から口呼吸にすると、どうしても筋肉の収縮は緩慢になりがちなのだとか。

普段から少し意識して、メリハリのある声をめざしましょう!