ジェネレーションギャップ〜1.叱ると辞める

img_6486「最近の若者は…」という言葉は、古代エジプト文明の壁画にすら書かれているのだとか。いわゆるジェネレーションギャップは、古代から変わらぬコミュニケーションの障壁なのかもしれません。

世代によって、考え方が違う。

壮年から見れば、青年は考えが浅いように見える。

老年から見れば、壮年はまだまだ青二才で分かっていないように見える。

そんな風に感じるのは、それが客観的に見ても一部分では事実であるものの、往々にして「自分が若い頃はもっとしっかりしていた気がする」といった主観的な概念に左右されているからだと言えます。

つまり、シンプルに考えれば、主観的なジェネレーションギャップを頭の中から取り除き、客観的に確かにそう存在するジェネレーションギャップにのみ対処すればよいと言えるでしょう。もちろん、それは難しいんですが!いわゆる今現在、「最近の若者は…」と言われる中で、明らかに以前とは異なる特性について、少しシリーズで書いていこうと思います。

共感などはできなくとも、最近の若者のバックボーンを理解すれば、すこしジェネレーションギャップも改善されるのではないでしょうか。

 

 

第一回目の今回は、「叱ると辞める」。

周りにはいませんか?この特徴は、会社に就職する=定年まで働く、という図式が今よりもっと当たり前だった社会的背景を持つ世代から見ると、とても腹が立つのではないでしょうか。

なんで叱ったくらいで辞めるんだ!俺が若い頃なんかは…!!と。

叱られ慣れていないから、と考える方も多いでしょう。しかし、実は、これまでの人生で叱られてこなかったから、ではなく、褒められてこなかったからなのだ、と分析することができるんです。

毒親シリーズの「やりたいことを禁止する」にも関係が深いのですが、現代の20代は子供時代の遊びも安全なゲーム、学校では「個性が大切、優劣をつけるのはいけない」と教わってきた世代です。だからこそ、失敗がないかわりに成功体験もなく、人より負ける意識を持たない分、勝ってやる!というモチベーションも持ちにくい環境で成長してきたと言えます。

冒険して失敗もしたが、自分の力で乗り越え、成功した。そんな体験があれば、叱られても「次はやってやる!」と逆境を乗り越えて行くことができます。しかし、冒険もなく失敗もないかわりに、胸がグッと熱くなるような成功体験もない場合、叱られるとそのまま乗り越えて行くことができません。

失敗体験がないため、自分が悪いとも反省せず、単に「自分には合わない環境なんだ」と、環境を変えるべく仕事を辞める選択肢を選ぶ方もいるんじゃないでしょうか。

叱られると辞める、の原理。

根本からの解決には、課題を与え挑戦させ、自力で対処させ、失敗体験と成功体験を積み重ねさせることが肝心。ですか果たしてどの程度それを、与えることが可能でしょうか。難しいですよね。

叱られると辞める、

これは辞める側も、叱る側も、解決策には根気を要するようです。