ズーム疲れ(Zoom fatigue)

EE102A21-146E-4660-8597-A1B0C2C27E55ズーム疲れ(Zoom fatigue)、という言葉が生まれて、ほぼ1年以上が経つのではないでしょうか。
当初は「コロナ禍が収まるまで」と、比較的短期間の使用を予想していたオンラインミーティングも、
今気づいてみれば、もう日常に溶け込んでいますよね。
会社の研修も、オンライン。
おじいちゃんおばあちゃんの、孫との会話も。
保険の見直しも、と、細かく挙げればきりがない。
米ノーフォーク州立大学のサイバー心理学准教授、アンドリュー・フランクリン氏は、
「バーチャル空間でのやり取りが、人間の脳にとって重圧となることを示すエビデンスはたくさんある」と言います。
分かり易く言うと、画面上の対話は、たとえ1対1であっても細かい「表情」を見極めづらく、
人は相手の「言葉」に重みをもって対話に臨みます。
しかし!そう!有名なメラビアンの法則でも「言語でのコミュニケーション」は、全体の数割に過ぎません。
その普段2.3割でやり取りしている部分に、全面的に頼って対話するわけですから、疲れて当たり前、という話です。
かのスタンフォード大学でも、今年の春先に「ズーム疲れ」の原因とその解決策を論文発表しています。
「Nonverbal Overload: A Theoretical Argument for the Causes of Zoom Fatigue(非言語的過負荷:ズーム疲れの原因に関する理論的議論)」
最たる原因は、「視線の多さ」です。
人間は本能的に、視線にさらされることに対して恐怖を覚えます。
しかも、自分自身のセルフビューもまた疲れの原因。同大学の研究では、自分を見ていると、自分に対してより批判的になる傾向があるという結果が出たというのです。
(スタイルを気にする女性が、鏡を見れば見るほど自己嫌悪に陥り、周りから見たら「痩せているよ」という状態でも「まだ太っている」と思いこんだりするのも、脳の同じメカニズムに起因するようです。)
セルフビューは、オフに。なるべく長時間の利用は避ける。
まだ完全な収束は見込めないコロナ禍。少しずつ、ある程度の事柄に対する対処方法が分かってきた今だからこそ、疲弊も表面化しがちなのではないでしょうか。自分が「疲れてる」のか、そうでないのか。見過ごさないようにしたいものですね!