声の心理学その4~声を発する位置

4B3E29D6-970A-4E13-B62F-FB8C09C4D6E8腹式呼吸って、いいらしい。そんな話を聞いたことは多いのではないでしょうか。

腹式呼吸とは、簡単に言えば、お腹で息をするやり方。仰向けに横になって呼吸をするとき、お腹が上下しているのが分かるはず。あれが、腹式呼吸です。背筋を伸ばし、ゆっくり鼻で息を吸い込み、口からゆっくり吐く。おへその下=丹田(たんでん)と呼ばれるあたりに空気をためるイメージです。

人の普段の呼吸は、この腹式呼吸と胸式呼吸に分類されます。胸式呼吸は、無意識にだれもが行っているもの。実は、胸式呼吸がダメなのではなく、両方とも人間にとって必要な呼吸法なんです。腹式呼吸は痩せる体作りに欠かせない、という意見がある一方で、胸式呼吸も代謝アップにつながる、という意見も。

まとめてみますと、

《腹式呼吸》 *息を吸うときに意識も下腹部(丹田)に向かう。肺も下に膨らむイメージ。

*副交感神経が刺激されるので、リラックス効果が期待できる。

*筋肉も緊張がほぐれる。

 

《胸式呼吸》 *息を吸うとき、肺自体が膨らむイメージ。

*交感神経が刺激されるので、活発な気分になることが期待できる。

*筋肉も適度に緊張を得るため、運動向き。

いかがでしょうか。

人が声を発する時、呼吸はまさに欠かせないものですが、二種類の呼吸の違いをまず、お分かりいただけたでしょうか。腹式呼吸は副交感神経の働きにより、うつ病予防にも効果があると言われているんですよ。緊張しているときには深呼吸、というのも、腹式呼吸の働きの照明の一つですね!腹式呼吸を行うことによって、緊張がほぐれてくる。呼吸の仕方ひとつでこれほど左右されるとは、本当に人って面白いですね。

では、実際それぞれの呼吸法で発声した時には、声にはどんな違いが生まれるのでしょう。

実際呼吸法を意識しながら、「へぇ!そうなんですね!」と声に出してみてください!そうすれば、印象の差はご自身でも明確にお分かりになるはずです。

腹式呼吸で「へぇ、そうなんですね」と言うと、どうしても口調はゆっくりになり、深く息を吐きながら言葉を発することで、より一層納得した印象が表面化します。

一方、胸式呼吸の場合は、言葉も比較的スッと流れるように口から発され、そこに声の高さを上げる、という意識を加えると「その話を聞いてテンションが上がった」と言うような明るい印象が表面化します。

まさに、それぞれの呼吸法が自分自身に与えるのと同じく、腹式呼吸で話すのを耳にしていると、人は落ち着いてきますし、逆に胸式呼吸で話すのを聞いていると、交感神経が刺激されるような活発さが会話に生まれてくることにきっと気が付くはずです。

ラジオで言うと、朝番組のときは元気な印象を与えるべく胸式呼吸、夜番組のときは腹式呼吸をメインに私は活用してきました。テレビナレーションでも、VTRの内容によって使い分けているんですよ。

落ち着いた雰囲気を演出したいなら、腹式呼吸。活発な印象を演出したいなら、胸式呼吸。あなたも日常生活でぜひ意識してみてくださいね!相手は、あなたが「こう思ってほしい」という与えたい印象により近い効果をだすことに成功するはずです。