恋と愛の違い

709968d27652e6e1722adf6d68a71bfd_s国分康孝先生の著作「恋愛の心理 男と女が向かいあうとき、すれちがうとき」によると、「好き」と「愛する」は、こんな違いなのだそう。

例えば、おいしいリンゴ=好き。けれど、「好き」ではあれど、腐ったら捨ててしまう。一方、「愛する」人のことであれば、病気になっても、年をとっても決して捨てない、ということ。

この本は、時代とともに変遷する男女の役割観や恋愛観等も踏まえながら分析的に書かれていてとても面白い。異性とのつき合い方から、恋愛への一歩を築くためにすること、恋愛と性との関係、別れ、恋愛と結婚の違い、結婚生活という現実にまで及んでいて、幅広いのも魅力です。

 

恋愛心理学から見てみると、友情と愛情はこんな違いがあります。

友情=仲良くなりたい+助けたい。

愛情=仲良くなりたい+助けたい+二人きりになりたい。

 

例えば夏は恋の季節!花火大会に行くとき、「二人で行きたい」=恋愛。「皆でいっても楽しいしOK」なら、まだ友情の領域、ということになるのでしょうね。

男女の価値観の相違でありがちなケース「二人きりで会ってる時点で浮気かどうか」、という場合に当てはめると、「二人きりがいいなぁ」と思って二人で行ったなら、その時点でもう浮気ってことですね。だってそれは恋愛感情と言えるのだから。

 

また、友情は期間が長いほど深まってさらに持続していくのに対し、恋愛感情と言うのは時間が経つほど弱まりやすい。

ここが先ほどの『リンゴ』の例と、少し違った印象を与える恋愛摩訶不思議の部分ではないでしょうか。

冒頭でご紹介した著作によれば、結婚と恋愛は全く別、という言い方もできるので解釈が難しくはありますが、「恋愛」が「愛」というものに移行するかどうか。それは単に時間の経過では成し遂げられないものだ、ということだけは確かのようです。だって恋愛は「時間が経つほど弱まりやすい」のだから。

友情と恋愛、恋と愛。比較してみると少し形が見えてきそうな気がしますが、

意外と自分のことになると「自分で自分の気持ちが分からない」ということもあるのではないでしょうか。

 

自分の中で、友情か恋愛感情かわからない、という場合。

あるいは恋か愛かわからなくて悩んでいるとき。

自分の気持ちが迷子みたいで苦しくなることもありますよね。でも、「悩むだけ、本気ってこと」。友情にしろ恋にしろ愛にしろ、それだけ相手のことを本気で大切にしている証拠です。愛にたどりついたという実感もないにもかかわらず悩みもしない関係なんていうのより、悩んでいる人の方が素敵!私はそう思います。