矛先

とある地域交流イベントに参加しました。

イベントの料理担当はイベント担当役員の妻たち。きっとどこにでも、こういったイベントはあるのでしょうね。おそらく、「地域住民としての責任」と「自分のスケジュール」との兼ね合いは誰にとってもネック。誰しもが「自分の夫が役員の年だけは」となんとか子供たちを預けたりしながら、イベント前日と当日は調整を図って参加する。

イベントの打ち合わせの段階から、いかにもやる気のない女性がいました。今まで、ラジオのイベントでも音楽イベントでも朗読イベントでも何でも、「やる」と決まって動き始めたら文句は言わない、という方たちとばかり仕事をしてきたけれど、それはラッキーだったにすぎなかったんだ!と生まれて初めて出会ったタイプに唖然。

例えばイベント前日のこんなやり取り。

私「明日は7時半集合なんだけど、お子さんのことを考えると難しいんだったよね?何時なら来られそう?」

すると急に彼女の激怒モードはスイッチオン。「7時半なんて、どう考えても無理なんで。そもそも、7時半なんて言うこと自体おかしいんじゃないですか!?主人が8時でいいんじゃない?去年はそうだったって言ってました!!!」ここから怒りの応酬。私も、とても腹が立ちました。

彼女のご主人は今年が役員1年目で、去年は「役員ではない立場」として女性陣は8時集合だったはず。そもそも男性に、「料理にかかる時間」などの段取りが分かるわけがない。しかも、長年役員の妻は7時集合、だったのが7時半に改善されたのは近年で、「7時半と言う時間設定自体がおかしい」と文句を言われるとなると、それはもう私に対して怒られたとしてもどうしようもない領域。

そう、彼女の「怒りの矛先」は、怒りをぶつけた相手に本来向けるにふさわしくないものまで含まれていたのです。

こういうことって、実はよくあるんですよね。もう少し掘り下げてみましょう。

・二人のお子さんの習い事も犠牲にするフラストレーション

・隣に住む義母が参加してくれるはずだったのが、自分が行かなくてはいけなくなったことへのフラストレーション

・7時半集合という実行不可能(に思える)集合時間へのフラストレーション

・そして、おそらくこれは予測にすぎませんが、イベント役員3年目で、いわば「長」という立場の私が、指示は出すにもかかわらず、他にやらなければいけない、やるべき事柄が多く、「料理の下準備」という基本的作業を他の役員女性に任せ、彼女からしてみると「何もやっていないくせに」と見えてしまったのであろうことへのフラストレーション。(念のため追記しますが、去年までは私も下準備を率先してやっていた派だったんですよ!)

以上が、おそらく彼女が抱えていた「不満」です。そのすべてを私にぶつけた彼女でしたが、果たして私にせっかく怒りをぶつけてもらったとしても、私は彼女のために「彼女の状況を何とかしてあげる」ことができる事柄はいくつあるでしょうか。

ぶつけられたとして、せめて「説明することができる」のは、4つ目の「自分は何も働かないくせに」という部分だけでしょう。そして、説明されてもおそらく納得はできないでしょう。再来年、彼女自身が同じ立場になってみるまでは。

より『怒りの矛先』を丁寧に分析してみますと、7時半集合という、歴代の慣習などを含め、「イベントが悪い」わけではありません。本来、彼女にとって「そんなのはいや、そんなのは無理」とフラストレーションを抱えるイベントの「役員になったご主人」に、唯一解決能力があるに過ぎないのです。役員にさえならなければ、彼女のフラストレーションは生まれなかったのですから。そこは、協力してくださるお義母様との話し合い、ご主人との話し合いで事前にどうにかしてきてほしい部分であり、

イベント前日の段階になってすら激昂するような精神状態で来られてしまうと、一生懸命やってきた歴代の役員はじめ、当日同じ集合時間で動くほかの役員女性や、さらに早い入り時間で力を尽くそうとしている私にも!!失礼なのです。

失礼!!そう、すごく腹が立ったんだなぁ、私は!その当該女性よりも小さな子供が私にはいて、彼女のようには実母も義母も健在ではない。いろんな方に頭を下げ、いろんなつてを当たって毎年役員として参加させていただいてきた3年間でした。

彼女が初めてぶち当たった「フラストレーション」を、私も理解できるからこそ、無理に7時半でなくとも大丈夫、など彼女には私から伝えたはずだったのです。

ムードとして、イベント前日にはもう「いろいろあるけど、やるからには楽しもうね!」という話になっていたにもかかわらず。

それなのに。自分は「そんな時間には来られません!私は忙しいんです!!私の母も忙しいんです!!!」と言いながら、自分が来られないにもかかわらず「来いっていう方がおかしいんじゃないですか!」と集合時間自体に文句を言い、自分がどんなに来るのが大変なのかという自分の事情を並べ続ける。つい、私も「もうそんな事情とか今更聞きたくないよ!」と言ってしまった。大人げないな、と反省し、何度も彼女にはゴメン、ゴメンネ、、ゴメンナサイと言いましたが、彼女の方からは一向に「こちらこそ」の一言などなし!一回も!!!

 

腹が立つ!!!!

さぁ、この私の「怒りの矛先」とは。

そう、「せっかく自分が精一杯寄り添ったつもりの相手に、その思いを組んでもらえなかった」『悲しみ』です。

 

私は、きっと「せっかく思いを汲んでもらっていたのにそれに気づかなくてごめん」とでも謝ってくれたらスッキリ仲直りできるのですが。

彼女にはきっと何を何度謝っても、「こちらこそ」にはならないんだろうな、と思います。放置する、忘れる、というやり方が彼女の「解決方法パターン」なのだろうと思います。

 

これは、いわば問題解決能力にもかかわってくること。

怒りの原因、対象、それらを客観的に把握すれば、解決もできる。しかし、「あの人嫌い」といった『感覚』のみで怒りに振り回されてしまった場合は、結局いかなる人間関係問題であろうとも解決などしない、ということになります。

世の中は漫画のように「イイ者、悪者」だけでは語りえません。彼女にとっての悪者が私であったように。

「好き」「嫌い」は便利な言葉ですが、解決方法ではありません。

人間関係の悩み、そこに往々にして存在する、怒りや何かしらのコンプレックス。怒りを解消するためには、「ツボ」であるピンポイントに対する謝罪をしてもらう必要があるし、こちらからもする必要がある。

その「ツボ」に対する謝罪で解決できなさそうな人間関係問題は、例えば喧嘩している相手そのものではない部分に解決方法が存在する場合です。(今回で言えば、イベント準備の集合時間のように。)

誰かといざこざが生まれた際、解決しないまま放置するこ適切な場合と、適切ではない場合があるのではないでしょうか。

解決したいのに、解決できない『怒り』。もしあなたや、あなたの周りの誰かが抱えているならば、「矛先」をよく見てみてください。そこにズレがあることは、意外と多いんですよね。あなたが、あなたの周りの、できるだけ多くの人とニコニコ毎日を暮らすことができますように!私も頭冷やしてがんばろーっと!

 

円陣手の写真