なるべくマスクをしなくてはいけない、
いや、無駄な消費にならないようにマスクのし過ぎはいけない
今、様々な「すべき」「してはいけない」という制限が多く日常にあります。ここで、ひとつ注意しなくてはいけない心理作用について今日は綴りましょう。
それは、「心理的リアクタンス」。
心理的リアクタンスとは、外部(環境、状況、他者)によって自身の選択する自由が脅かされた時に生じる、自由を回復しようとする反発作用のこと。
この反発する気持ちの強さは、人それぞれです。いわゆる従順なタイプは、そこまで反発しませんし、反抗期の子供は大いに反発する、と言えば分かりやすでしょうか。とはいえ、多かれ少なかれ人は、心理的リアクタンスに行動を左右されています。
今現在のように制限が多く、まさに自分が出かけたいのに、出かけられないなどの自由が脅かされているともいえる状況の中では、人は逆に「出かけたい気持ちが強くなる」という仕組み。まさに、これが危険だと言えるのではないでしょうか。
トイレットペーパーの爆買いは控えるべきである。しかし、買ってしまう。
家で勉強しておくべき、しかし、出かけてしまう。
人は、自分で自分のことを決めたい!という欲求を持っています。だからこそ、他者によってそれが脅かされると、嫌悪感を抱いてしまう。これが心理的リアクタンスの発生メカニズム。
そして!
心理的リアクタンスで特筆すべきなのは、たとえ自分にとっていいこと(例えば、出かけない方が感染リスクが下がる、など)であったとしても、無意識化で反発してしまう、という点です。本来自分を守るための心理作用が、結果的に自分を危険にさらしてしまっては本末転倒ですよね。
現状では特に、この心理的リアクタンスによるパラドックス的陽動が懸念されます。自分の意思で、メリットデメリット、正誤を判断することを心がけていきたいものですね。