この季節から春に向けて、子供たちがマイクの前に立つ機会は増えます。
そんなハレの舞台のために、子供たちに向けた発声スキルを少し。
腹式呼吸に続いて、子供たちへの発声スキルその2は
「10メートル先の人に向かって話す」こと。
原稿を読んでいるときは特に、原稿を見る目線と同じく声が下に向かって落ちてしまいがちです。
声は前に向かって放つ。
ボールのようなイメージで、腹式呼吸で声を遠くに息といっしょに投げる、という感じでしょうか。
流れる川のように滔々と話して、そんな自分に自己満足を得ている話し手は、残念ながら多いものです。
まさにボールと同じで、受け取り手には「渾身の一球」だけ受け取ってもらえればいいのではないでしょうか。
「ありがとう」は、6年生の一番最後の列の人にまで届くように。
入学式ならば、「ようこそ、これからよろしくね」は、1年生の一番最後の列の人にまで届くように。
この「遠くまで声を伝えるイメージ」を培う訓練で有効なのは、
騒がしい交差点の横断歩道。向こう側の人に伝わるように話す、というものです。
今、コロナ禍でこれは難しいですが…
もしやってみられるチャンスがあるなら、交差点の向こう側の人に「どの言葉が聞こえた?」と尋ねてみてください。
きっとすべては届いていない。届いた言葉は2.3あるなら、他の言葉とどういう喋り方の差があるのか、自分で考えてみるといいでしょう。これは、騒がしいテレビをつけた部屋で、端から端へ話しかける練習でも代用できますね!
「渾身の一球だけは、必ず届くように」。
これが、二つ目のコツです。