先日、下呂市教育委員会の先生方へ、喋り方トレーニングと講演をさせていただきました。これは、心理学コミュニケーターとしての講座ではありませんが、「コミュニケーター」の講座として、まさに皆様に必要とされる内容ではないでしょうか。
コロナ禍で、マスクを着けたままの期間が長かった私たち日本人。学校で子供たちに毎日接する先生方も、自分たちを含め、その活舌などに対して感じるところがおありになったとのことでご依頼をいただきました。
今回は、下呂市宮田小学校武田校長先生より、「自分たちが、正しい、より良い発声、正しい活舌などを実践することが子供たちのお手本になり、また講座で教わったことを、子供たちにも伝えたい」とのお考えを受けて、今回の講座の中では、
*体全体を使った、発声前のストレッチ(呼吸法の習得)
*活舌をよくするための口周りの発声練習(活舌法の習得)
*文章の区切り方による、伝わる話し方実践指南(間合いの習得)
この3つの柱になぞらえて、お一人お一人の発声、活舌などを丁寧に見させていただきました。ただ、やはり「教室の後ろまで届く話し方を、毎日繰り返している」先生方ならでは!発生や活舌、間合い、どのカテゴリーにおいても上級者でいらっしゃいましたが、生徒児童に伝えるため、この講座はとても有効だったとのお声をいただきました。
コロナ禍では、マスクをつけての学校生活で、例えば ずれたマスクを直すために手で触れることも「マスクを触りません!」と注意されて過ごしてきたのが、ここ数年来の子供たちの日常でした。理由は、外側のマスクに手で触れば、マスク自体に付着したウイルスなどを手に移し替える行為であって、その手で触れるものは感染源となっていく危険性がある…そのような、命を守るための図式の中から、仕方がなかった注意でした。
それは分かっていながらも、やはりそれを残念だったことと思わずにはおられませんよね。驚くほどの順応性で、子供たちは「マスクをずらすことなくしゃべるやり方」を日々習得していきました。これは、
*口角をあげない
*口の形をほぼ変えずに話す
といった、活舌の面からみると「良くないしゃべり方」をせざるを得なかったわけです。実際、以前もこのブログに書いたことがありますが、
「青い空」
と口に出したとき、至近距離では「青い空」に聞こえますが、15メートル離れれば「おおいそろ」に聞こえる児童が多い、という現状があります。母音の「あ」が、口を開いていないことによってうまく発声できていない、というわけです。
このような、「コロナ禍の影響」は、いまだに多々日常に影を落としています。またこのブログをご覧になった父兄の皆様、学校関係の皆様、もしくは接客を必要とする企業の皆様に、もし私の講座がお役に立てることがあったらぜひご用命いただきたいと思う毎日です。