豊かな自然と子育て3

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幼稚園バスを待っている毎朝の短い時間の中でも、我が家の子供は「あ、ちょうちょ。」とか「あ、茶色い葉っぱが落ちてる」とか、「影の形がおだんごみたい」など、見ている景色の中様々な発見をし、それを伝えてくれます。これらは、大人の私も同じように目にしているはずが目に留まらないものがほとんど!

このとき「へぇ」「あっ、そう。」などと流してしまいがちになるくらい(汗)、子供たちは毎日毎日いろんな「発見」をしています。これぞ、好奇心。

まだ上の子が1歳くらいと小さかった頃、毎月本とDVDが届くという教材の勧誘を受けた際、主人がこう言いました。「サンプルのDVDを観たら、実際の映像でキリンやライオンが映っていた。動物園などでまだ実物を見ていないのにDVDで見せてしまうと、DVDに対する反応はとても強いとは思うが、実際の世界に対する『感動』がどうしても薄れてしまうのではないか、と心配だ。だから、教材は申し込まないことにしよう」と。「DVDを見ている間はいい子にしていてくれるから家事が楽でいいか」なんて自分本位な判断をしようとしていた私は大感激!でした。

もちろん家庭それぞれによって様々な「正解」があるでしょう。ただ、我が家の場合は、「感動」を最優先!それでとてもよかったなぁと思っています。

幼いころの感動は、好奇心を育て、好奇心はやる気を育てます。

小さければ小さいころほど、感動やそれに伴う好奇心は脳の発達に一役かってくれます。我が家の朝の風景のように、小さい子供にとってはいろんなものが「大発見」でも、大人はそれほど好奇心を持つことができないんですよね。

好奇心を持ちやすい時期に、自然に親しませておくことは、とても大切だと考えられます。

昨今、スマホ、ネットやゲーム依存が問題になっていますが、自然に対する好奇心が育まれていれば、それらに対する抑制効果も期待できるのではないでしょうか。スマホ、ネット、ゲームはまだ3Dが出てきたとはいえ実際の世界には劣るバーチャルリアリティしか存在し得ていません。対する自然は、無限。花の形の、その見事な芸術性。一枚の葉の葉脈の繊細さ。空の果てしなさ。ミクロからマクロまで、感動で構成されているのが「自然」だと言っても過言ではないのですから。

ゲームで世界中を走り回っても、はだしで芝生の上を10メートル走る感動には叶わないのではないか、と私は思います。土のにおい、風の香り、草のチクチクした刺激、おひさまに照らされた芝生の暖かさ。走ると脈拍が上がる感覚、弾む呼吸、かいた汗の上を流れる風の心地よさ。5感の全てで自然からの刺激を受ける。これが、自然の中で子育てをする賜物の一つ、「感動を呼ぶ刺激」です。

これらはきっと、原体験となることでしょう。原体験とは、その後ずっと残り、その人の価値観や思考に影響を与える貴重な体験のことです。

また、脳には、可塑性があります。つまり、外的な刺激によって常に構造的機能的に脳は変化をしていくのです。また、この可塑性は、小さいうちの方が強い。

運動能力についても、言語能力についても、刺激を与えるのに適した時期というものが存在します。では、次回のブログではそれについて書いていきましょう。