多治見市立滝呂小学校講演

683B53D9-A0EB-4768-B6A1-96454F6E4AC8

先週末の土曜、岐阜県多治見市立滝呂小学校にて、親育ち講演会という取り組みに講師としてお呼びいただきました。

まず驚いたのが、「体育館が丸い!」「建物のデザインが芸術的!」ということ。中に入っても、1階から2階への通路として子供たち専用の小さならせん階段(積み木の家の魔法の階段のようなイメージ)があったり、アスレチック場などにあるロープで作られたジャングルジムのようなネットで子供たちは1階から2階へ上がることが出来たり。なんとプールが屋上にあったり!しかも、その屋上からは岐阜県の名峰が見渡せる絶景だったり!!

数え上げればきりがないほどの魅力にあふれた小学校でした。

さて、今回講演内容はかなり自由に決めさせていただくことができ、このような内容で講演させていただきました。

 

タイトル YOU CAN DO IT!〜我が子がぐんぐん伸びる親の声掛け〜

 ダメ!止めなさい!もっと頑張って!叱咤激励するつもりのひとことが、子供の可能性をシュンとしぼませてしまうことも。ラジオ、テレビで多くの人に語りかけてきた仕事を通じて発見した「言葉の魔法」を交えながら、発達心理学に基づいた、子供のポテンシャルを伸ばす声掛けをお話しします。

 

日本の親というものは、欧米諸国に比べて圧倒的に「誉める」という行為が足りないこと。

やってしまいがちな「叱り方」のNGポイント、逆に褒め方のバリエーション、など細やかな部分まで「実際どうやったら良いのか」という、すぐに日常生活に生かしてもらえるようなところまでお話しできたことが嬉しかったなと思います。

例えば、こんな質問をしました。

「お子さんの長所は、何ですか?短所はどこですか?」

今回驚いたのは、多くの親御さんが子供の長所を3つ挙げてくださいと言われた場合二つまでしかスムーズに出てこないのですが、今回たまたま当ててお答えいただいたお母様は、スラスラッと3つ、挙げられたんです。すごいなー!!私も、子供が何歳になってもそうでありたいと感激しました。

さて、そんな上記の質問の後に、「ご自分のお子さんに、今日帰ったら『自分の長所はどこだと思う?』という質問をしてみてください」と申し上げました。

実は、意外と子供は、自分の何が長所なのか、気が付いていないものなんです。原因は、まさに、「誉め不足」です。

 

もしこのブログを読んでくださっているあなたも、お子さんに同じ質問をした時、「え?分かんない」と答えられてしまったら、誉め不足緊急事態発令です!

なぜ褒めることがそこまで大切なのかというと、子供に「自己肯定感」を持ってもらうため。

実際講演ではこんな例を挙げました。

平均点80点の算数のテストで20点をとった場合

Aくん=「なんでこんな問題もできないの!」と、できてない部分を怒られた。

Bさん=「すごい!ここの問題が出来てるじゃない!お母さん、正解したこの問題が、このテストの中でいっちばん大事だと思う。数は違うけど、この問題も正解した問題と一緒の仕組みだから、きっとほかの問題もそのうちできるようになるよ!」と、できた問題を褒められた。

Aくんは、算数を自分が苦手なんだと思い、嫌いになってしまいました。

Bさんは、ラッキーなことに、自分が計算が苦手だと気付かずに済んでいます。そして、算数を嫌いにならずに済みました。しかも、褒められたことでうれしくなり、「きっとできる」と言われた問題を復習。自分で正解まで解くことができました。

このAくんとBさん。次のテストでまた同じ点数40点だったらどうでしょう?

Aくんはきっとまた、怒られますね。そしてBさんはきっと「前より出来てる!」と褒められるはず。

20点から40点まで、点数を伸ばした努力。ここをこの時点でほめてあげたかどうか。それこそが、「さらに次のテストの結果」を左右していくはずです。

 

人は、嫌いなものをイヤイヤやっていても伸びません。だって嫌いなんだから楽しくないですもんね。

一方、「やればできるんだ」を実感したらどうでしょう?例え30点でも40点でも、昨日の自分よりも成長しているということが自信となり、「勉強することそのもの」が・・・そう、つまり『工程』そのものがイヤイヤなどではなくなってくる。

人は、期待するから行動します。

宝くじを買うことのように、「当たるかもしれない」から、買うのです。

「100点が取れるかもしれない」から、勉強できるのではないでしょうか。

「俺なんて、どうせやっても無駄」と子供に思わせてしまうようなしかり方を、「俺ならきっとできるし!」と思わせる叱り方に変えていきませんか。

これは、小学校だけでなく、中学、高校の受験を控えるお子様を持つ親御さんや、逆に小さな幼稚園保育園児の親御さんまで、幅広い方に伝えたいことだ、と改めて感じました。

今回、この機会を与えてくださった、多治見市立滝呂小学校の河合教頭先生はじめ、安藤校長先生、PTA役員の方々、聴いてくださったすべての親御さん、本当にありがとうございました。