リアクタンス~購買欲編

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前回書いた「心理的リアクタンス」は、1966年にジャック・ブレーム(Jack Brehm)が提唱しました。個人の自由について心理学的にアプローチした定説を、もっと掘り下げてみていきましょう。

購買欲を刺激する手法に用いられる心理的リアクタンスの中で、最もメジャーなのが「数量限定」「期間限定」「激レア」といった、商品の稀少性を広告などに使うやり方です。

今、マスクの再販売で警察が防犯のために待機するほど、マスクは稀少価値が高まっていますが、悪い例としてこれを挙げるならば、自分の家にはまだマスクが備蓄されていて不必要にもかかわらず、購入する列に並ぶ気持ち。これは、単純に「手持ちのマスクが切れる不安」のみならず、少なからず心理的リアクタンスも影響していると言わざるを得ません。

稀少価値が高い方が、よいものである、という認識に繋がる心理的リアクタンス。イタリアではこんな実験が。限定30食と書かれたパスタと、書かれていないパスタ。実は同じものであるにもかかわらず、限定と書かれた方が美味しいという高評価が多かったのだとか。不思議ですよね、面白い!

今、ほとんどの買い物がネットによって気軽に行えるようになりました。フリマアプリの「○月○日までの期間限定出品」の文字に惑わされたり笑 しないよう、稀少性に引かれることを差し引きながら、冷静で結果的に満足できる買い物をしたいものですね!