声の心理学、その1 声域、音域。
高い声か低い声かで、与える印象は全く違いますよね。同じ内容を、同じ人物が話していても、実は「低い声で話した方が説得力が生まれる」のです。
選挙での投票においても、低い声の政治家に投票しがちだというデータは、随分以前にアメリカで研究結果が発表された事実。また、記憶喪失になった人物が、記憶をなくした途端話す声の高低が変わったというのもよくあること。
人は、有意識にせよ無意識にせよ、声の高低差で相手の印象が変化することを本能的に知っているのかもしれません。太古の昔、唸り声で相手を威嚇しボスに君臨しようとした頃と同様のDNAによって。
ラジオDJ時代の番組で、「モテ声」を特集したことがありました。その時、尊敬する先輩男性DJに「とっておきのモテ声を」とお願いして発声してもらったところ、それはもうバリー・ホワイト並みの低い声の美声。その場にいた女性陣は目がハート!うっとりしたんです。
ですが!その直後、有名な声優を多数輩出した声優スクールにお話を伺ったところ、「男性のモテ声=高音域」であることが判明。確かに、アニメの中で女の子が恋をする『クラスメイトの男の子』の声、低音ではなく、比較的高音なんですよね。これはつまり、男性を恋愛対象とした場合に「いい声」と感じる音域は、若い世代では高音で、結婚を考え始める年齢に差し掛かるにしたがって、低音域に移行していくと推察されます。(なんか難しい言葉で説明しちゃってますが、モテ声の話、笑。)
つまり女性が見る男性の声について言えば、恋する相手=高音、愛する相手=低音が惹かれやすい、というのでしょうか。女性の価値観の中で、相手を見る際に「結婚して家庭を築き上げていく際に、信頼できると思えるかどうか。」このチェック項目が加わると、一気に低温ボイスの人気は上昇するのです。
低い声は、信頼を集める。
高い声は、興奮を示して相手に高揚感(恋心など)を与える。
声の不思議、いかがでしょうか。少し本能的で、面白いですね。さて、次回の声の心理学その2は、「声の大きさ」です。大きければ好印象なわけではない。声量のコントロールは、コミュニケーションでも欠かせません。お楽しみに!