今、小学校に通うお子様がいる親御さん向けの講演について、最終的な内容のチェックを行っています。やっぱりこれは話しておこう!と決めた内容のうちの一つがこれ「親のグチ」が、子供にどんな影響を与えるのか、ということ。
グチ、というのは結局、「自分で解決できないから、他のところで話すことによってストレス発散する」ことに他なりません。悪口でもそうなんですよ、実は!
「Aさんってさぁ、この前こんなことしてたんだよ。私はすごく嫌な気持ちになっちゃってー」こんな風に人のうわさ話、悪口を吹聴する場合も、この発言者はAさんと向き合うことも、また自分がその時嫌な気持ちになった事象事態を改善しようと事象そのものに向き合うことも、回避しています。
つまり、「グチ」=「逃げ」。
ストレス社会です。もちろん、たまにはそんな逃げも必要なんですよ!!!
ただ、親から子に愚痴をこぼすパターンは、どういった影響を与えるのか見ていきましょう。
例)「お父さんってば、靴下裏返しに脱ぐの。お母さんがいっつも臭いの我慢して裏返して洗濯してるのよ」。
この場合、お母さんは、お父さんと向き合い、靴下について状況を改善することから逃げています。するとこれは、我慢しているというお母さんの自己憐憫と、結局はお父さんの靴下は裏返されたまま、という、改善され得ない状況=「お母さんは無力なんだ」ということを裏付けてしまっています。例えが例えだけに大げさに聞こえますが(笑)。
実際、もしあなたが親である場合、子供に聞かせているグチは、あるとしたらどんなものが思い当たりますか?
そこには、向き合うことを避け、問題を解決できない無力感のもと回避している、という図式が当てはまってしまうはずです、残念ながら!
そして、子供にとってみると、そんな対処法が「誰かとうまくやっていく方法」だと無意識下でインプットされてしまうんです。自分に対する無力感と、向き合い改善することからの回避。
更に言うと、「娘のあなたは、自分の靴下ちゃんと裏返してくれるわよね」こんな一言でも母親から付け加えられようものなら、そうせざるを得なくなる。だって母親の自己憐憫は、「お母さんが可哀想だから私が頑張らなくちゃいけないんだ」という思考パターンを子供に刷り込むことになるのですから。
コレ、怖くないですか??
じつは、親から子へのグチって、本当に怖いんです。
子供のやる気を奪い、問題から向き合うことを回避するようにミスリードし、「いい子ちゃんでいなくてはならない」という義務とストレスを小さなハートに与えることになる。
ちょうど一週間後に多治見市の小学校にて講演をさせていただく機会があるので、こんな「親から子へ掛ける言葉」の良し悪しや影響をお話してこられたら!と思っています。
たかがグチ、されどグチ。
余談ですが、SNSで、何かに対する文句ばかり書いている人は、「この人は自分で解決する、向き合うことのできない人間だ」ということをアピールしてしまっているにほかなりません。人間は、マイナスの感情に同調しやすい生き物だと言われています。そしてそれを共有した時に連帯感も生まれます。
例、まずいラーメン屋さんの文句を言う、自分もまずいと同調し、怒ってくれる人と仲良くなる。
解決策として、他のラーメン屋さんを見つけた発信もするならOK。ですが、グチ「ばっかり」では、共感してくれる人のイイネの上に胡坐をかいていると、足元をすくわれかねないので要注意です!