「気をつけてね」

やさしい言葉です。「気をつけてね」。

行ってらっしゃい、車に気をつけて。

親から子供へ、よくかける言葉のうちの一つですよね。

 

ただ、例えば公園で、時分の背の高さでは届かない鉄棒に『ぶら下がりたい!』という我が子に、「ちゃんとつかまってるのよ、気をつけてね」と言いながら、子供を持ち上げて手を届かせてあげるママの姿。

あれは、見ていてとても怖い。

人間も動物ですので、基本的に「自分でできないことには挑戦しない」生き物です。

怖い、という気持ちが働くことは、身を守るためにとても大切な防衛本能。

ただ、本来自分では手が届かない鉄棒にぶら下がって、足の先から地面まで1メートル、とか。

それは「気をつけてね」だけでは子供を守り切れませんよね。

 

今、様々な家庭があり、先週書いたブログの「父親と息子」という内容についても、「シングルマザーはどうしたらいいのか」といった疑問をお持ちになる方も多いだろうなと書きながら思っていました。

母親は、子供のやりたい気持ちを尊重しがち。手を貸してあげたくなりがち。

しかし、父親の手を借りないご家庭であれば、「社会性をより意識する」ことが、母親の役目にもなってくると言えるのではないでしょうか。難しいですけどね、いうは簡単だけれども…。

ただ、大切に思うあまり、失敗させないよう「危ないからやめておきなさい」と言ったことを言って育てることだけは、やめておきましょう。自分で決めたやり方、道の上での失敗なら、きっと立ち直れます。母親が決めた道での失敗だと、(往々にして誰かが決めた道での失敗だと、人は)立ち直るのは困難。

たくさん失敗させてあげることも大切。要は、「失敗しない人間」を育てるのではなく、「失敗してもあきらめない人間」を育てるのが、子供の幸福への近道なのですから。

 

高い鉄棒に、自分が持ち上げてまでぶら下がらせた母親、そこから落ちたら、それは大けがの恐れもあるほどのダメージ。子供が「もう鉄棒嫌い」となる懸念を持たずにおられません。

自分の背の高さで届く鉄棒での失敗なら、「よし、もう一回逆上がり!チャレンジ!」に、なるはずだと思うんです。

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